交番

歴史の証人

1ISS解散

海法よけ藩国は、事実上滅亡した。
設定国民の60%が森を捨て、帝國へ歩き出した。PLACE、個人ACE、
滞在ACE、すべての ACEが脱藩し、それらと一緒に歩き出した。
嘉納、りゅうへんげと続いて致命的な問題を連発するこの国への信頼感は消えはて、
税収が激減し、 大量の空き家にごろつきどもが住まうようになった。
10608002テンダイス記事
ターン11 折れたる自由の旗 〜共和国崩壊の日〜 より抜粋。

世に舌禍事件と呼ばれるISS会議に端を発する騒動は、よけ藩国に大きな被害をもたらした。
というのもその発端の一つである発言がよけ藩国国民の第七世界人によるものだったからである。

今までにも第七世界人の行動に振り回されてきた国民の多くは、これを期に国を見限った。……そう言ってしまうのは簡単だが、事はそう単純ではない。
人は、一人では生きられない。互いに信じ合うことで生きられる。であるならば、不安と不信が臨界を越えた時、そこは人の住む場所ではなくなる。海法よけ藩国で起きたのは、そういうことだった。
一人一人の善意が足りなかったわけではない。善人が善意に振る舞えない環境を作ってしまったことが問題だった。
このようにして、よけ藩国は、崩壊していった。


2飛翔氏登場

なんとか治安を取り戻そうと、頭をひねる各国宛てに、
テンダイスブログにてA&S不動産の広告が出されたのが6月4日午前0時20分。

そこで発表された、交番建築費用135マイルというのは、
各国が参加税100マイルを捻出するために苦心している事を鑑みれば、
決して安くない金額のはずである。

が、しかし約1時間後の同日午前一時半。
よけ藩国の重鎮の一人であり、信頼も厚かった飛翔氏は会議室に入るや
「135マイル、出しますよ」と笑って言い放った。

亡命政府となってから日も浅く、そこに勤める人員すらも決まっていなかったが、
氏の人を護りたいという想いは何もかもを踏み越えて手をさし伸ばしたのだ。

余談ではあるが、藩王の海法は、他にも、病院代や参加税やその他色々なものを国民に建て替えてもらってることがある。もちろん自分がマイルがある時に人に払わせたことはなく、当人は当人で、それなりに稼いで募金したり街灯買ったり色々してるのであるが……。
さすがに反省して、国庫に余裕のあるプレイスタイルを目指そうと、貯蓄に励んでいると言う。余談終了。


3小さな灯火

彼らの意気に応えようと急ピッチで進められた建築は
当初コンクリート建材が予定されていたが、
少しでも国民の心情に配慮しようと、
森国の家屋を思わせる木材に変えられ、
夜も焚かれた明かりの元にその存在を示した。

新たに配られた制服をまとい、そこに立つ彼らは交替で常に一人。
その警官達こそが、よけ藩国の最後の正義であった。

そのたたずまいは、政府は未だ諦めていない、
ここにいる森国人は、他の人を護ることを諦めていない、という一つの表明であった。

そしてその表明はまた、幾人かの心に微かな火を灯すものとなる。


4崩壊と再生


飛翔は、砂漠の中にたたずんでいた。結晶質の砂の中に見つけた小さな木片には、墨の跡があった。断片からは、「海法よけ藩国・交番」の文字も、それが誇らしげに掲げられていた様もうかがい知ることはできない。

建てられた交番は、時を置かずクーリンガンの引き起こした内戦の前に焼け落ちた。
ようやくその内戦の痛手から復興し、造船国家となった、よけ藩国は、錬金術の暴走により、一面の砂漠となった。

その砂漠に、今、また、交番が再建される。いくつもの愚行と、そこから立ち上がる人の心を見て来た交番は、次に、どんな歴史を見るのだろうか。願わくば、そこに過去に学ぶ心と不屈の意志があることを。


5交番データ


L:交番(木造) = {
 t:名称 = 交番(木造)(施設)
 t:要点 = 木造,小さな,交番
 t:周辺環境 = 設置された国
 t:評価 = 治安維持能力5 住みやすさ0
 t:特殊 = {
  *交番の施設カテゴリ = 国家施設として扱う。
  *交番の設置 = 交番は一箇所に設置する。
  *交番の床面積 = 50m2とする。
  *交番の構造 = 1階建てまで。
  *交番の特殊効果1 =警察系アイドレス装備の猫士、犬士を配置することが出来る。
 }
 t:→次のアイドレス =警官(職業),治安維持活動(イベント),パトカー(乗り物),アデリーの開発(イベント) 
 }

タイトルイラスト:黒崎
交番イラスト:飛翔
文章:ぷーとら、海法 紀光