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*黒崎のレイアウト資料ページです
(編集中)
イラストの大きさをあとで調整
二つ並んでる奴は横長にくっつけ
あとは難民とかまだレイアウト追加よてい
文章は陛下に編集をお願いします。

http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/2681.jpg
(よけの心/これはメイン絵にする)

ここに設定を入れてもらう


「誕生日おめでとう!」
 公園で、森国人の女の子に、ちょっと年長のハーフエルフの男の子が照れながら、手作りのつやつや輝く木の実のブローチを差し出しました。
「わぁ、きれい、嬉しい! ありがとうね」
 にこにこしながら受け取るその様を微笑ましく見ながら、大人達が小道を通り過ぎていきます。
「ありがとう! えへへ、おとうさんからも絵本も貰ったのよ。一緒に見ようと思って持ってきたの」
 二人は仲良くベンチに並んで座ると、女の子がかばんから大きめの絵本をとりだしました。
「お前にはまだちょっと早いかもしれないがなーって、おとうさんが言ってたけど、大丈夫だもん」
「なんて本?」
「んとね、【よけの心…のは、はっせい】」
「よけのこころ?」
「うん。このくにができてからいままでのおはなしだって」
「へぇ~」
 二人は木漏れ日の下、足をぶらぶらさせながらまだ真新しいぱりぱりと音を立てるページを開き、指で文字を辿りながら声を出して読み始めました。

   ***

2689.jpg

 わたしたちの国である海法よけ藩国がにゅーわーるどに生まれてから、いろいろなことがありました。

 まず、国の中を探索しました。とても危ない冒険(ぼうけん)に藩王(はんおう)自ら突っ込んで避(よ)けるというお手本を見せてくださいました。結果、見事に避けきって大量のソックスをゲットしました。

 そして、国土にいろいろな施設(しせつ)をつくり、産業(さんぎょう)をおこしました。
 特に力を入れたのが農業(のうぎょう)です。ごはんはすべての基本(きほん)ですから。そして、最初によけはじめたのも、農作物でした。
 きゃべつも、も、木苺も、全部よけはじめたのです。もしかしたら最初の藩王の避け方に影響されたのかもしれません。
 国民は、このよける農作物や、よける森や、河や、いろいろなものにびっくりしながらも一緒に暮らし始めました。

 国には魔法使いが多くなりました。ある特定の幸せをよけてしまう彼らは、まさに国にふさわしい職業(しごと)についたのでした。
 また、病気(びょうき)を避ける医者や、地面を避けるテストパイロットや、重力をちょっと避けることが出来る理力建築士(りりょくけんちくし)も生まれました。

 そしてあるとき、白おーまという強い敵(てき)が攻めてきました。最初に戦艦(せんかん)で攻めてきたときには、にゃんにゃん共和国の合同軍を海法藩王が率い、まず突っ込んで敵を誘い出し、うまいこと攻撃(こうげき)を避けて大勝利(だいしょうり)を収めました。

 しかし、国同士でいさかいが起こり、国は巨大な罰金(ばっきん)をかかえてしまいます。藩国のみんなは滅亡(めつぼう)を避けるべくしゃかりきに突っ込んで働き、なんとかこれも避けることができました。

 そのうちに、ニューワールド各国に、強い白おーまが攻めてきます。よけ藩国に現れた白オーマは、なんと王様の運命(うんめい)の人である暁ゆかりさんの顔をしていました。動揺(どうよう)した摂政(せっしょう)他は突っ込んでぶっとばされましたが、なんとか戦死(せんし)は避けることができました。

 白おーまとの戦いでは、守りを手伝っていた(わんわん帝國の)城に大きな艦(ふね)を落とされて、落ちてくる瓦礫(がれき)を必死に避けて逃げながらなぜかカレーも守ったりして、みんなでがんばりました。

 さて、白おーまを撤退(てったい)させるのに成功した頃、第5世界(近くて遠い、にゅーわーるどと似ている別の世界)の広島が危ないという話を聞いた各国は、第5世界に軍を送り込み、よけ藩国からも何人もが従軍(じゅうぐん)しました。
 ところが、どうでしょう。世界の方が避けてしまい、孤立(こりつ)した第5世界にしばらく閉じこめられてしまいました。
 青の厚志さんの手助けもあり、そこにいた黄おーまを押さえることに成功。無事(ぶじ)第5世界を復興(ふっこう)させてにゅーわーるどにも帰還(きかん)できました。

 新しい勢力も次々と搭乗してきます。女の子だけの赤おーまは、宇宙から攻めてきました。しかも、途中で男だけの黒おーまも攻めてきました
 赤おーまは宇宙が専門(せんもん)の国にまかせて、黒おーまに対しては、なんとラブで戦いを避けちゃおう、という作戦が発動しました。ここでお見合いに突撃(とつげき)して旦那様(だんなさま)をゲットした人もいましたが、こればかりは避けずに正解(せいかい)でした。
 同じく見合いに出た藩王は、なんと女装(じょそう)することによりラブさえ避けてしまいましたが、これは初代(しょだい)と会うための深謀遠慮(しんぼうえんりょ)…だったのか、それともゆかりさん以外と見合いがしたくなかったのかは、聞いても回答を避けられたままです。

 れむーりあという別の世界に、他の国の人の死をよけるべく小さなチームで、れむーりあに突っ込み、戦いをよけて命を救うこととなりました。このとき初めて、緑おーまの一人と遭遇します。
 やがて、逆に緑おーまがにゅーわーるどに攻めてきて、卑劣(ひれつ)な毒攻撃をしかけてきますが、雨ごいでそれを避けました

 これらの戦いの中で、星見司(ほしみつかさ)の塔を持つわたしたちの国では、星見司の力によって敵の攻撃を避けましょうという話になり、全国の星見司と協力して、星を読み、いろいろな災いを避けることに成功しました。

 また、戦いの間に、何度も沢山(たくさん)の借金(しゃっきん)をかかえました。最初の借金が可愛く思えるほどの沢山な額です。

http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/2682.jpg

 本当にどうしよう、ということが何度もありましたが、気がつけばなんとか避けきっていました。よけの技術(ぎじゅつ)が以前と格段(かくだん)にあがっていることに気づいたのは、これが最初(さいしょ)です。

 なんとか悲しみを鎮め、一度平和になったにゅーわーるどですが、再び戦いが始まりました。

 国内で発生したなりそこないによって、森が荒らされ、ねこりすさん達が大きな被害を受けました。
 最初はわたしたちを避けていたねこりすさんも、時間をかけてごめんなさいをすると許してくれて、また仲良くなることが出来ました。

http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/2684.jpg

 国の上の人が悪いことをしたために(ぜっかじけん)、国が荒れ、愛想(あいそ)を尽かしてた国民が国をよけてしまったことがありました。
 このときは、みんな本当に辛い思いをしましたが、沢山の他の国の人や、ゆかりさんをはじめとするACE(えーす)の人たちが助けてくれて、やがて少しずつ帰国することができました。

*(ここに難民のイラスト)
 
 その後も何度も森を焼かれ、国土も傷つきますが、ある時はよその国の人たちが手をさしのべてくれ、ある時はなんとおーまの7色全員が集まって森を再生し、国の危機(きき)をよけるのを手伝ってくれました。

http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/2683.jpg

 そして、共和国全部を結ぶ鉄道が出来て、いつのまにか森国人以外の種族(しゅぞく)もやってきて一緒に住むようになりました。
 最初はすれ違いもあり、不便をかけたこともありましたが、互いに争うことなどなく軋轢(あつれき)をよけて、仲良く暮らしています。

http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/2685.jpg
 
 今もなお、わたしたちの国は、沢山の悲しみや戦いから逃れることはできていません。

 だけど、今までもうだめだ、と何度も思ったときも、みんなで手を取り合って、あるいはよその国の人たちの助けを借りて、なんとか避けてきました。
 そして、気づいたのです。
 人種(じんしゅ)なんて、国の違いなんて関係ありません。
 よけの文化を好もしいと思い、そして自分の周りの、あるいは知らない誰かの幸せを願い、平和を願いながら、問題に突っ込んでは避けてきた人たちには、いつのまにか「よけの心」が宿っていたのです。
 
 災いを見ても笑って立ちあがる気持ち。誰かの悲しみを避けるために、突っ込む勇気(ゆうき)。そして困難(こんなん)を見極め、避ける機転(きてん)。
 これが、「よけの心」なのです。

 誰もが持つことができる「よけの心」。でもそれは、自分のことだけ考えていれば、すぐなくなってしまいます。
 どうしてかって? それは、みんながばらばらによけても、お互いにぶつかってしまい、うまく避けられないからです。

 でも、「よけの心」を学ぶことは、決して難しいことでもないのです。
 たとえば、あなたが「自分はまだ小さくて何も出来ない」と思っているかも知れません。
 でも、あなたにだって出来ることはあるのです。
 家族の、友達の悲しみを見たら、まず手を握って一緒にいてあげてください。
 そこから、お互いに、「よけの心」は始まるのです。

http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/2680.jpg

   ***

 難しい字は年長の男の子が手伝い、ようやく本を読み終えた二人は、本を閉じて前を向きました。
「この国って、いろんなことがあったんだねぇ」
「おじいちゃんから、聞いたことのあることもあったよ」
 ちょっと得意げな口調で自慢する女の子の横顔を見て、男の子はうつむきました。
「ぼくは、ぜんぜん知らなかったや…だっておとうさんは別の国の人だし、話したことなんてないし…」
 女の子は、ちょっと考えると、本を横に置き男の子の手を取ってぎゅっ、と握りました。
 びっくりして顔を上げる男の子に、女の子は笑いかけました。
「でも、この本でたくさん覚えたから、もう私たち一緒だね」
 男の子は、やがてちょっと決まり悪げに笑うと、手を握り返しました。
「うん。ね、もう一度この本読んでいいかな?」
「もちろん! あとね、おかあさんがクッキー焼いてくれたのよ」

 再び仲良く頭を付き合わせて本を読む二人の周りにはいつの間にかネコリス達が集まり、二人が読むお話に耳を傾けながらしっぽをゆらしていました。

おわり

 http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/2686.jpg

(文章森沢:絵:黒崎克耶/近衛カケル)

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Last-modified: 2011-05-21 (土) 06:22:34 (4718d)