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- 国際救助隊 へ行く。
- 1 (2008-06-18 (水) 10:32:16)
- 2 (2008-07-08 (火) 23:55:27)
- 3 (2008-07-12 (土) 15:32:10)
- 4 (2008-08-20 (水) 18:53:45)
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- 8 (2008-08-24 (日) 10:09:43)
- 9 (2008-08-31 (日) 12:15:30)
- 10 (2008-09-20 (土) 19:33:56)
- 11 (2008-10-17 (金) 22:52:24)
- 12 (2008-11-07 (金) 18:40:30)
※国際救助隊の要点
L:国際救助隊={
t:名称=国際救助隊(職業)
t:要点=見慣れない飛行機,秘密滑走路,椰子の木
t:周辺環境=南の島
}
説明文1「これが俺たち、国際救助隊だ!」 †
ここは、海法よけ藩国から少し南に離れた位置にある小島。地図に載せるのも面倒なくらいの小島に、それはあった。
『国際救助隊 訓練所』
それは、海法よけ藩国の正義最後の砦とも呼べる場所。あらゆる災害からすべてを救うために作られた組織。熱い志を胸に、入隊した隊員達は今。
…………全員椰子の木陰でのびていた。
入隊初日に一通り施設の案内を受けたのち、「救助の基本は体力だ!ということで全員、砂浜でランニング!」と隊長から命令が飛ぶ。
隊員達は一斉に「おー!」とかけ声だけは勇ましく、砂浜目指して訓練所からめいめいに駆けだしていった。そこまではよかった。
しかし。
森国人は基本的にやせぎすで体力なし。どっちかっていうと頭使う仕事の方が向いている。
ということで、走り出したまではよかったが、照りつける太陽の下でのランニングで、1人倒れ、2人倒れ………全員あっという間に体力切れで倒れ伏し、近場の椰子の木の下で涼を取っていた。というか、這いずって木陰に入ったという方が正しいだろう。隊員達は、匍匐前進の基礎だけは教わらなくてもできているようだ。
「そう言えば俺たち、森国人だからねぇ……ぜぇぜぇ。1kmも走らないうちにこれだよ……はぁぁ……」
「俺たちの体質からして、何というかこう、素敵メカとかで救助に向かう方が向いてませんか?」
這いずって顔を合わせた者同士がそんな言葉を口にする。
「でも、メカって……あそこにある飛行機みたいなのだろ?というか、あれだけ?ドリルとかはないの?」
1人が倒れたまま、椰子の木を林のように密生させた場所を指さす。林でカムフラージュしてあるが、そこには実は滑走路があり、飛行機が何機か用意されている。入隊初日に、隊長からは施設案内の際、国際救助隊の存在を含め『他国や他人には決してこれらのことを漏らさないように』と念を押されていた。
「宰相府が持っているって言う“フェイクトモエリバー”ではないですね。他国の飛行機系とも基本設計が違うというか、似たものを見たことがないというか……」
「最終的には、あれに乗って出動、だよな」
「でも、あれで近寄れない場所とかは、やっぱり降下したり、地上を走ったりして救助、が基本ですよね。それなら、頑張ってトレーニングに励まないと」
「じゃあ、何で僕らは、砂浜走っていきなりぶっ倒れてるんですか?」
「いや、だってほら、森国人だから体力なしでしょ?隊長だって『救助の基本は体力』って言ってたし。だからランニングで体力を補強しようと……」
「で、その隊長殿は今どこに……」
「どこに、ってそりゃ詰め所で……涼んでるよ、ちくしょう。俺たちには『ランニングしてこい』って言ったくせに……」
ぶっ倒れた隊員が瞑想通信で隊員詰め所を確認する。クーラーの効いた部屋で背もたれのついた、いかにも偉そうな人が使いそうな椅子に、隊長がふんぞり返っている。
「とりあえずですね」
「体力が復活次第、詰め所に戻って隊長にランニングの必要性を確認するか。……でも、もうちょっとだけ休ませて……」
照りつける太陽の下。
ぶっ倒れた隊員達の心はすでに一つになっていた。
頑張れ、国際救助隊!何をするのか知らされてないことも忘れるな!
(青にして紺碧)