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よけ藩国環状線企画

EV124 よけ藩国 共和国環状線参加企画「よけ鉄道」

・島国を生かして観光資源とし、また国内の利便を図ることで国民を楽しませる。
・リンクゲートを使用しつつ、一部に強化ガラス海中トンネルを使用。海中が見えるようにする。
・国内線はトラムを拡張し乗り入れを実現する。よけ鉄道なので、列車が駅をよけて勝手に急行になる時があるとの噂。
・首都では「ようこそ、よけ藩国へ」の、王猫ガミッチ様ポスターがお出迎え。「ネコリスの森」についても記し、観光客への理解を求める。

(アイデア:森沢/文章:海法 紀光)


共和国環状線内「よけ鉄道」概略。 †

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(あくまでラフの形です。ちょっとだけ変わります。あとでレイアウトとか画像はさしかえ:黒崎)

 tera領域にゃんにゃん共和国群、海法よけ藩国は島国である。

 共和国環状線を通すにあたり、環状線の入り口と出口は隣国までのリンクゲートを使用。両端の一部を海底トンネル化することで、新しい観光名所として国内外にアピールする。この海底トンネル部分を「アクアリウムルート」と呼ぶ。窓から見る美しい海に生息する珊瑚や魚たちが、あたかもよけ藩国を訪れる人々を迎え入れるかのようだ。アクアリウムルート内照明などの動力には潮力発電を利用し、エコロジーなところもちょっとアピールしてみる。

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(共和国環状線「よけ鉄道」海底トンネルエリア部分/絵:森沢)

 環状線停車駅はメガフロートと政庁の間に設置。隣には入国管理局があり、人々の入出国チェックの簡易化が図れるほか、他国行き、または他国からよけ藩国に輸入する資材や食料などの管理もここで受け持つことができる。

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(あくまでラフです。あとでさしかえ:黒崎)

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(あくまでラフです。あとでさしかえ:黒崎)

 駅構内に植樹された「ミニ避けキングズ」は、王宮/居住空間としても使用している巨大樹「避けキング」の苗を利用した樹木型のモールで、計5本植えられている。うち1本の1区画は環状線開通対策本部として使用。残り4本は食堂やレストラン、ホテルや駅弁ショップなどが開店予定だ。この5本のミニ避けキングズは、駅構内の天蓋を支える役目も果たしている。最新鋭の技術や機械には今ひとつ疎い森国人だが、自然の力を活用することにかけてはどこにも引けを取らない。

 駅改札口には王猫ガミッチ様の「ようこそ、海法よけ藩国へ!」の巨大ポスターが乗客を歓迎する。また、駅には国内観光名所のおすすめスポットや乗り継ぎ案内のパンフレットや、時刻表なども用意。駅係員とは別に案内員も常駐し、「ネコリスの住む森にはどう行けばいいの?」といった各種質問の受付や、それぞれの旅行プランに応じたルートなどを案内する。彼ら案内人はホテル予約などの相談にも応じ、ちょっとしたコンシェルジェ風である。

よけ藩国内ではすでに汽車による環状線やトラムなどの交通施設が発達しており、観光客の交通の便をさらに快適にするため、このトラムの停車駅のうちの1つである政庁前駅を環状線停車駅と接続した。正式開通の暁には、開通式典なども行う予定である。この開通式典にはガミッチ様も登場し、一日駅長として乗客を迎えるとの未確定情報もある。

環状線と、藩国地上鉄道の設置構造としては、JR市ヶ谷駅と東京メトロ南北線市ヶ谷駅の関係と思っていただければ(ごく一部の方には)わかりやすいだろう。

ちなみに、国内環状線だが、よけ藩国の気質をしっかりと受け継いでおり、本来なら緩行線のはずが、空気を読んでいきなり快速に切り替わったり(要は駅を2、3個勝手によけてしまう)するので、注意が必要だ。

(文:青にして紺碧)

よけ鉄道、開通まであと少し †

「上からは、路線が隠蔽率100パーセントであることを確認しましたー」
「構内空気成分チェック結果、ここ置いておきますー」
「はいーお疲れ様でしたー」

政庁では、共和国環状線の国内部分についての最終チェック作業に追われていた。

といっても、いちいち政庁本部に移動して報告しているのでは手間がかかる。

そこで、新設の地上駅を構成している巨大な樹木(通称ミニ避けキングズ)5本の真ん中の樹の上にある駅事務所の1フロアを環状線開通対策本部として、徹夜での作業が行われていたのであった。

これまでにNWに起こった様々な出来事をふまえて、環状線建設にあたっては特に以下を念頭に調整した。

・海中路線部分が、上空より爆撃の対象として視認できない状態であること
・海中路線部分にて事故が発生した場合に備えて、各所にアクアリウム兼脱出ポッドを複数設ける
・いざというとき、国民のシェルター代わりにもなるよう、駅は地下に設ける
・地下駅ということで旅客に圧迫感を与えないよう、明るい雰囲気でデザインし、換気に留意する。
・地上との接続には、体にハンディがある人のことを十分に考慮した設計にする。また、換気目的も含めてよけ国の主要な樹木をふんだんに配置して、観光客には異国情緒を、帰国者には懐かしさを感じてもらうことを狙う。
・貨物列車は、引き込み線から理力エレベーターで直接地上まで移動可能とする。

この、海中路線と地下駅、地上駅との接続という難易度の高い建築の設計には、理力建築士が大活躍した。
物理的な力だけでは困難な工事も、彼らの手にかかれば短期間での施工が可能となったのである。

また、マッドサイエンティストも、海中路線内や、駅構内外の環境を良好に保つために技術と知恵を絞った。

魔法使い達は、新設の地上駅に避けキングの苗を移植して急速な生育を促した。また、構内外で様々な魔法の案内板を設置し、来る開通式式典では盛大な花火とイリュージョンで盛り上げる役も担っている。

テストパイロットや整備士達は何も仕事がなかったかというとさにあらず、彼らの軍事・技術知識は昨今問題ともなっている駅のセキュリティ強化対策に非常に役立った。何度も試験飛行を重ねて、海中路線や駅がきちんと隠蔽されているかのチェックを行ったり、避難順路の設定や路線・車体の整備方法のマニュアル化など、大活躍している。

勿論、彼ら専門家だけの力では到底この事業を進めることはできない。
積極的に一般国民からの雇用・協力を募り、一緒に仕事しながら技術の教育・移管を行い、開通後は事業を知り尽くした運営スタッフとして環状線の仕事をそのまま任せることができるようにした。

「お疲れ様ですー 差し入れですー」
「うわぁぁ、待ってましたー」

この駅を構成するあと4本のミニ避けキングズには、それぞれ展望台が設けられ、またレストランやホテルなどが開業予定である。
その開業準備中の数軒のレストランが、このところ交代で差し入れを持ってきてくれているのだ。

「あー、下の階の診療所にも、まだ人が残っているからそちらにもできれば…」
「はい、もうお届けしましたよー。お医者さん達に衛生面でのアドバイス貰っているので、それくらいはさせていただかないと!」
「おお、流石!」
「お皿は、ドアの外に置いておいてくださいねー ではがんばってください!」
「ありがとう! そちらもがんばって!」

スタッフ達はひととき仕事の手を休めて、心づくしのご飯をかきこみながら軽口をかわす。

「いやぁ、構造強化と環境のために、生きた樹木で駅を覆うって言われたときには、ほんとにできるんかいな、とひっくり返ったけどなー。やればできるもんだよなー」
「避けキングの苗とはいえ、ここまででっかくなるとなはー」
5本の樹木は、今や駅全体を根でしっかり支え、また巨大な葉の天蓋で駅やその周辺を覆うまでになっている。
「ましてや、避けキングからあの蔓もいつのまにか生えてきてぐんぐん育っちゃうしなー」
「そうそう、あれは嬉しい誤算だったよなー」

避けキングが発見された時に既に共にあった、「蔓」。王宮でも蔓エレベータとして大活躍のそれは、苗が移植された時にいっしょにくっついてきたらしく、樹木の生長とともにまたたくまに伸びて、王宮同様に各樹木のエレベータとしての役割を十二分にこなしている。

「おかげで、いろいろ木の中にお店や展望台やら作ることが簡単にできたからねー」
「でもなんで、あの蔓はエレベータになっちゃうんだ?」
「うーん、マッドサイエンティストに説明してもらったんだけど…結局ぜんぜん判らなかったぜ」
「わははは、そりゃお前の頭が悪いんだー」
「いいさ、わからなくても。樹も蔓も、一緒に駅を作ってくれる大事な仲間なんだってことが判っていれば、俺には十分だぜ」
「そうだなー 俺もそれでいいや」
「おお」
「ああ、それにしてもいい眺めだな…」

みんなは揃って窓の外を見やった。

工事が進むにつれ、失われていた街の灯りがどんどん増えていった。
今、彼らの目下に広がるのは、1ヶ月前が暗闇だったと思わせるほど、沢山の暖かい光がまたたく風景である。

「さあ、もう一仕事するか!」

全員にっこりとして立ち上がり、気合いを入れて再びそれぞれの作業にとりかかった。
彼らが待ちに待った開通式は、もうすぐそこである。

(文:森沢)

ゲートを抜ければ、そこは…… †

「わー、すごいすごい!きれー!」
「ねぇお母さん!あっち見て見て!お魚が泳いでるよー!」

乗客も一同にほう、とうなって窓の外を見る。眼前に広がるのは汚染されていない、自然の海。珊瑚が生息し、魚の群れが泳いでいく。もちろん、ホログラフィといった類の物ではない。

今日は共和国環状線の正式な開通日前の試運転日として、よけ藩国国民にこの「アクアリウムルート」を開放し、体験してもらうことにした。要は駅から双方向に試験用車両を走らせ、リンクゲート手前で止まって、また駅へ戻ってくるだけなのだが、国民達はこのアクアリウムルートが気に入ったようで、乗車待ちの列が絶えない。駅員達はうれしい悲鳴を上げていた。これだけの人気なら、立派に観光スポットとして案内できると確信した。

共和国環状線は通常、隣国(環状線加盟国)同士のリンクゲート内を通し、各国の駅に停車する。だが、それだけではつまらないと、リンクゲート入り口/出口からそれぞれ若干のルート変更を施し、わざわざ海中にトンネルを伸ばして路線としたのだ。この列車は、最終的には藩国地下に作られた駅に停車する。

そこからは地上(緩行線政庁前駅)まで理力歩道でつなげる。改札口までの距離が少し長めなので、駅内の壁にはガミッチ様のポスターや各種名産品の案内、お知らせなどを貼り、改札口を通り抜けるまでも退屈させないように工夫を凝らしている。

改札口を抜けたあと、ある者は地上の旅に出かけたり、藩国内を散歩するなど、行動はさまざまだ。いざ環状線に乗ったはいいが、どうしたらいいかわからない、という方のためには案内員を随所に配置し、質問や相談に乗る。

「うん、評判は上々みたいね」企画を出した森沢が、乗車待ちの国民達の顔を瞑想通信で確認しながらうれしそうに言う。
「ええ、本当に」駅員が応える。彼の顔も喜びに輝いている。

共和国環状線案が持ち込まれたとき、藩国のリンクゲートをそのまま使えば、路線工事はさほど時間もかからなかったのだが「うちは島国ですから、その利点を活かしましょう」と意見を出したのは彼女だ。「にゃん!(とくにさしゆるす)」とガミッチ様の鶴の、いや猫の一声でこの企画が決まった。そこから先、アクアリウムルートの設計図から、トンネルに必要な強化ガラスの硬度計算およびルートの形状、ルートを最終的にどこにつなぐかなど、今日の試運転前の試走チェック日まで、森沢はほぼ貼りつき状態で作業にかかっていた。国民達も一丸となって工事に取り組んだ。これは藩国の国民雇用対策という、思わぬ副次効果を生み出した。「おらさ国が一番だ」の国民が工事人員や駅員、案内員になれば、藩国の魅力は旅行者に良く伝わることだろう。

もうすぐだ。もうすぐ共和国環状線は正式稼働する。その日にはきっと……。
森沢はその日を思い浮かべる。そう、もうすぐなのだ。この藩国がかつてのように賑わう日は……。

(文:青にして紺碧)

よけ藩国駅弁 †

海法よけ藩国は、周りを海に囲まれており、なおかつ森国として植物の生育に適した土壌という立地の結果、動植物の固有種が多く存在し、他の国とは一風変わった海の幸山の幸の恵みをどちらもたっぷり享受できる。

そして、鉄道で旅する旅人達のお楽しみといえば、各地の駅弁。

勿論、NWでも有数の食糧生産地である海法よけ藩国としては、その名に恥じぬラインナップを取りそろえて各国のお客様を待ち受けた。

まずは蕎麦粉クレープで、たっぷりとお好みの新鮮な野菜や卵、蒸しよけ鳥などをくるんだファーストフード。
それに添えられている、よけ鳥の唐揚げや、フライドポテト、フレッシュジュースもすべて国内で安心の有機栽培。

よけ牛のフィレステーキやよけキャベツのロールキャベツ、玉葱とコスモマグーローのマリネやよけキノコのソテーなど、季節の素材を詰め合わせたしっかりとおなかにたまるメニューも充実している。

また、木苺などをはじめとする果物から作られたマーマレードとよけ牛のミルクとバター、よけ鳥の濃厚な卵黄などをたっぷり使用したケーキ・クッキーをはじめとする各種デザートも、国内からもわざわざ駅まで買いに来る人が後を絶たず、連日売り切れの大人気。

また、大人の間で密かに話題となっているのが、そのおいしさについ飲み過ぎても二日酔いを避けてしまうと評判のよけワインである。つまみ用のドライフルーツや森の木の実も、旅のお供に最適である。

今後、環状線のおかげにより訪れる多くのお客様の意見や反応をリサーチし、味と種類にますますの工夫を重ねて、駅弁でよけ国の美味をNWに広めようと国民達は今から意気盛んで、既に第2弾のメニュー企画や、お土産品の推薦が全国各地より続々とあがってきている。
また、事前に駅弁のメニューを決定するために開催した料理コンクールを人気番組ニューストゥエンティーフォー拡大版で放映したところ大評判となり、コンクールの定期開催や、食をテーマにしたシンポジウム開催の話も持ち上がっている。
 
(文:森沢)

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