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寮(施設)
L:寮 = {
 t:名称 = 寮(施設)
 t:要点 = 寮,そこに住むメードなど
 t:周辺環境 = 宮廷,庭園
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *寮の施設カテゴリ = 藩国施設として扱う。
  *毎ターン犬士/猫士+2機される。この時食料は必ず-6万tされる。
 }
 t:→次のアイドレス = 暖かな家庭?(施設),保育園(施設),後藤亜細亜(ACE),吹雪先生(ACE)


2008年11月30日、通常通過
2009年2月3日、再審査によりHQ
しかし、質疑結果により効果はなし。
2009年3月24日、施設復興の設定文を追加


雑多な裏設定文と、寮建設に協力してくれた方々:
寮を作ろう(寮建築発足段階)
紺碧の説得 vs 夜國涼華編(要点:寮、メード)
紺碧の説得 vs うにょ&飛翔編(要点:メード)
寮を建てよう(寮建築開始段階)
寮を建てよう 第2段階(政策および他の新規アイドレスとリンク)
とある夜の物語(メードの勤務風景)
寮の復興SS


寮の説明: †

 日頃藩国での活動になんやかやと駆り出され、他国に出張し、その割にはあまり待遇の良くない猫士達に、待遇改善を含めた感謝の気持ちと、「帰ってこれる場所」を用意するために、寮は設計、建築された。

 寮自体の外観は、シンタロ校のそれに酷似した形で建築。当初は猫士専用としていたが、寮内で勤務する国民、および希望者のために、一部を居住スペースとして開放する。寮自体は森国に合わせて木造建築だが、ぱっと見ではそれとわからないようにカムフラージュされている。これは、A&Sの物件悪用対策案を参考にしたためである。ついでにいうと、設計ベースがシンタロ校を模したため、5階建てとなっている。

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(寮正面図。どことなく上品さを伺わせる設計/イラスト:夜國涼華)
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(寮玄関。猫士を統べる、王猫ガミッチ様の肖像画が飾られている/イラスト:夜國涼華)
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 部屋のサイズは、猫士用は人間用と代わらないが、備え付けられた家具類は猫士専用サイズで統一。ベッド、机など、一通り必要な家具が用意され、さらに必要となった場合は別途政庁で用意し、送り届けている。

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(猫士用部屋の一例。居住者がどれだけ不精者の猫士であっても、部屋はメードが綺麗に整える。小さなドアは、猫士用出入り口/イラスト:夜國涼華)
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 人間用居住スペースは、ぱっと見では猫士のそれと変わらないが、部屋と部屋との間の防音壁が簡単に取り外し可能で、これにより居住人数に合わせた部屋面積に変更できる。家具は人間サイズに合わせて用意される。家具もまた、猫士同様政庁から無償で提供される。

 この取り外し可能な「壁」は、例えば寮で勤務する者同士が結婚する、等の場合に「だったら二人の部屋をくっつけてしまえ」という、かなり安直な発想から思いついた構造である。もし二人が夫婦喧嘩をおこした場合には、それぞれの部屋の間にまた壁を設置し、“頭を冷やせ”という、ありがた迷惑な構造でもある。

 寮内には勤務者としてメードを複数人配置。彼女たちメードは国民雇用対策の一環として、寮内で勤務する。勤務は週休2日のローテーションシフトを組み、主に寮内及び猫士の部屋清掃、食事の料理など諸々の業務をこなす。

osigototyu.jpg

(寮で勤務するメード。彼女たちのたゆまぬ努力があってこそ、寮の清潔さは保たれる/イラスト:夜國涼華)

が、たまに猫士の無断外出や門限破りを防ぐため、メード達が持つ箒銃が火を噴く時もある(実際はスタンモード:しびれビーム)。メードとして働く国民達には、夜國涼華うにょ蒼のあおひとがそれぞれ得意分野に従って講義を開き、また時には“お茶会”と称してコミュニケーションを図っている。ごくまれに、この3名については本人達が暇、かつ希望した時のみ、一日寮監として寮内で活動を行う。

 メードとして採用するのは、基本、女性のみだが、どういうわけかたまに男性のメード勤務希望者も現れる。彼ら希望者は、適性チェックを行い、それが合えば採用、としている。

 建物が寮形態のため、風呂は大風呂が用意されるが、女性専用風呂、猫士と人間、分かれて入りたいといった場合のやや小さめの風呂場も用意される。風呂場そのものは寮の地下にあり、一部壁面などでは海中が見えるよう、耐圧ガラスを導入した。

 寮の外郭には、手入れの行き届いた庭園がある。これも、シンタロ校のそれを模した物で、四季に合わせた花が咲くよう、寮内の庭園管理者によって常に管理されている。

heimenzu.jpg

(寮全体を上空から見たところ。敷地内には手入れの行き届いた庭園がある/イラスト:夜國涼華)

 寮の屋上に上ると、遠くに藩国宮廷こと、王宮「よけキング」の姿も見える。実際の宮廷はその隣にあるのだが、よけキングがあまりにも大きすぎ、かつ立派なため「あれ(本物の宮廷)じゃ、宮廷に見えないよね」というのがもっぱらの評判である。

 猫士の活動を管理するため、猫士のみ一応門限、および点呼が義務づけられている。たいていの門限破りや門限後の無断外出はメード達によって阻止されるが、ごくまれに無断外出に成功する猫士もいる。だが、その猫士には、その後たまーに、点呼の際に「点呼に答える道祖神:のうきん様の声」が聞こえるという怪奇現象が、寮長および寮監に報告されている。

(青にして紺碧)

とある夜の物語 †

夜の最終点呼が終わった海法よけ藩国猫士寮。そこに住んでいる猫士達はにゃ~にゃ~みゃ~みゃ~みゅ~みゅ~め~めぇ~声を上げながら就寝の準備をしていた。
次第に部屋の明かりが消えていく。静けさと月明かりと僅かな外灯の明かりが寮を照らし今日も一日が終わろうとしているその時、寮の端で蠢く影があった。

「前方視界良好、障害物もなしにゃ!」
猫特有の縦に長い動向を広げ行く先を警戒しているのは、闇夜に紛れる黒毛とその毛色とは正反対な名前のトウフ。
「ルート上の部屋の明かりが消えたのを確認ねぅ」
一見のんびりとした動きだが、要所要所で確認は怠らないのは白い毛並みのクー。
「・・・よし、行くぞ!」
三匹の中で一番大柄なブチ猫のコタロウが号令を発すると、三匹の猫士達は闇夜に紛れ素早く移動していった。

三匹が塀に辿り着こうとした瞬間、どこからともなく低い声が響き渡った。

「ひとつ!人より○○○ちゃん大好き!」(注:諸事情により人物名は伏せさせて頂いております)

「な、何ヤツ!!」
素早くコタロウが周りを見回すと、少し離れた建物の上に、それはいた。

月明かりに映えるシックなメード服。風に合わせてフワリとスカートが舞い、ちらりと見えるはメードの証ガーターベルト。

「ふたつ!不埒な妄想癖!」
フリルのあしらわれたカチューシャに彩られるは世を忍ぶ青白い髪。手にした箒型レーザーライフルが三匹に向けられている。

「あ、あれは!!」
驚愕の表情で三匹は「それ」を見上げる。

「みっつ!皆がドン引きさ!」
顔の上半分を覆われた瞳が妖しい光を宿す!

「残念だが、この謎の仮面の、バトゥルメーーーーーェェェッドゥG・U・Y!『U』がいる限り抜け出しはさせないZE☆!」

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

極端に温度の下がった空気の中、沈黙を破ったのトウフだった。
「あ、あの~・・・にゃにしてるんですか、うにょs、ひにゃぁぁ?!!!」
トウフの言葉が終わらぬうちに、箒型レーザーライフルか火を噴くとスタンビームがトウフに直撃した。
「と、トウフ?!」
「いきなりにゃにするんだにゃ!」
体が痺れて動けないトウフを守るように残った二匹が前に出ると、謎の仮面のメードガイは軽やかに建物から飛び降りた。
「いやぁ、だってほら、こう、ねぇ?一応俺は謎の仮面のメードガイのUであって、それ以外の何者でもないわけですよ?」

臨戦態勢を取る二匹に対し、謎の仮面のメードガイはやけに投げやりかつフレンドリーに話しだした。
「いやね、そりゃ抜け出したいのも分かるよ?うん、俺だって学生の頃はよく・・・というかほぼ毎週末に寮を抜け出してゲーセンでツインスティック握ってたしさー。」
「な、ならここは見逃して」
「でも、だ。」
メードガイの言葉に安心したようにクーが声をあげるが、すぐにメードガイの言葉によって遮られた。
「規則があって仮にも今俺は今日の見回りという立場がある以上、見逃すわけにもいかんのよね~。せめて見つからなければよかったんだけどね。」
苦笑しながら箒型レーザーライフルを構えるう・・・仮面のメードガイ。
「というわけで。大人しく帰ってくれると俺も楽になるんだけど、どうする?」
「・・・それでもここで引くわけにはいかないにゃ!クー、二人で一気にやるにゃ!」
「にゃにゃぁ!」

二匹の猫士は小さな体を加速させ仮面のメードガイに襲い掛かる。しかしメードガイも得意のバックステップで距離を離しながら箒型レーザーライフルで迎撃を始める。

「やっぱりそうなるよねぇ~!」
箒型レーザーライフルの銃口からカラフルなレーザーが放たれる。
扇状に広がった白いレーザーは一旦止まると事前に決められていた向きにゆっくりと流れを変えていく。そのレーザーで動きが制限された猫士に向かい本命の弾が二匹に迫っていく。
だがしかし
「舐めないで貰いたいにゃ!仮にもおいら達はよけ藩国の猫士にゃ!!」
二匹の小さな体にスタンビームが当たったかの用に見えたが、黄色の弾丸は二匹をすり抜けて虚空に消えていった。
「うっそ、当たり判定1ドットかよ?!それずりぃ!だが、まだまだこれk」

「じゃかぁしー!」

2636.jpg

(宿直室の窓から身を乗り出し叫ぶ女性。誰かは下の文を参照/イラスト:夜國涼華)
(最大サイズはこちら)

メードガイが次の攻撃に移ろうとした瞬間、宿直室のドアが一気に開かれ、寝巻き姿の女性が顔を出した。

「・・・あー、す、涼華さん?」
ピタリと動きを止めた二匹と一人は、首だけを動かし声の主を見た。
普段は笑顔で患者や回りの者を癒している彼女であったが、今は睡眠を邪魔されたせいか物凄い形相でメードガイと二匹を睨み付けた。
「・・・うにょさんもコタロウちゃんもクーちゃんもこんな時間に何しているんですか。もう就寝時間は過ぎてますよ。」
「い、いや、うにょじゃなくて仮面の」
「・・・ん”?」
「はい、すみませんでした。」
いい訳をしようとした仮面のメードガイは寝起きの涼華の一睨みで黙らされてしまい、残った二匹も怯えて尻尾が縮んでしまっていた。
「三人とも、罰として朝の点呼まで正座して反省してください。いいですね?」
「「「は、はい!(ですにゃぁ!)」」」
涼華は三人にそう言い伝えるとピシャリと宿直室の窓を締めた。

「と、トウフはどうしましょうかにゃ?」
「寝かせておいてやろうよ、起こして正座はさすがにキツイ・・・」
「そうですね・・・」

二匹と一人(とついでに痺れたままの一匹)は夜空を見上げた。

夜明けはまだまだ長そうであった。
(うにょ)

寮の復興SS †

パタパタと、土らしき地面を踏みしめ、走る音がする。
 はぁはぁ言って、少し小柄な少女がやってきた。

「みんな、ごめんなさいです。遅くなったです」
「涼華さん、こっちにゃー。こっち手伝って欲しいにゃー」
「にゃぅにゃぅー」

 猫士がにゃーにゃーいいながら、涼華の到着を待っていた。
 涼華は、そっと護民官の制服である帽子と警防を他の荷物と一緒にまとめると、すでに作業に入っている猫士達と一緒に作業に入った。

 ここはよけ藩国の、猫士達の寮があった場所。
 先日、国内が光の砂にまみれ、そして壊滅してしまった、寮の跡地だった。

 猫士達の生活の場として、そして人々の復興の足がかりに、と涼華は護民官の里親探し支援活動の合間を使って、猫士達と寮の復興を行っていた。
 建物を建て直し、時にトンカチで指を打ってしまった猫士の治療をし。
 時間を見ては食事の準備をして、炊き出しもしていた。

「涼華おねえちゃん、大丈夫にゃ?」
「うん、大丈夫だよ」
「うんと、なでなでにゃ」
「えへぇー」

 護民官の仕事もしていることを知っている猫士達は、涼華を気遣ったが、涼華も早く寮の復興を進めたくて焦っていた。
 猫士達が、寝るところがなくてみんなで丸まっているのを知っていた。
 人も猫も住める寮は、そこが人々にとっても猫士にとっても生活や活動の拠点となることを知っていた。

 そのため、涼華は一日でも早く、復興したかったのだ。

 トントンかんかん、音が響く中、ぐーと言う音が鳴る。

「は、ご飯の時間!」
「お、おなか空いたにゃ~」

 ご飯も忘れて寮を建て進める猫士達。涼華も忘れそうになっていた。

「今、ご飯作るね!」
「涼華おねえちゃん、あのね…」
「うん?どうしたの?」

 トンカチを置いて、食事の用意のため護民官の制服の上からエプロンを付けた涼華に、さきほど涼華の頭をなでた小さな猫士が声をかけた。

「あのね、ここから少ししたところに、人がいたにゃ…」
「ホント!?えと、避難してる人たちかな?」
「うん…きっと」
「そっか、そしたら、ご飯一緒に食べませんか?ってみんなで呼んで来てくれないかな?」
「うん!!」

 そう言うと、その小さな猫士は他の猫士と3匹ほどで、人々を呼びに行った。
 涼華はその姿を見送ると、さっそくご飯の用意をする。
 大好きな人の見よう見真似だが、手早くしっかり料理に手を進める涼華。
 元々島国のため、魚などは手に入れようと思えば手に入った。
 それらの漁も、合間を見て猫士達が行っていた。その新鮮な魚を煮魚・焼き魚と料理していく涼華。

「つまみ食いはめーよ!」
「ご、ごめんなさいにゃー」

 料理してい出来上がるものをつまみ食いしようとする猫士をしっかり叱り、付近に飯盒で炊かれたご飯と、大きな鍋に作り上げた汁物、そして魚料理それらおいしそうな匂いが付近に漂う頃。

「涼華おねぇちゃんーただいまにゃー」
「おかえりなさい!」
「ここは…」

 連れてこられたのは、若い夫婦と幼子の家族だった。

「ここは、猫士さん達の寮を立て直しているところです。今からみんなでご飯を食べるところなんです。どうか一緒に召し上がりませんか?」

 極力怖がられないように、そっと静かに微笑む涼華。
 それを見て少しほっとした夫婦。そしていきなり泣き出す子供。

「す、すみません。ほら泣かないで」
「ご飯、えと味はあたしの好みに仕上げちゃいましたが、出来上がったばかりであたたかいです。しっかり食べて欲しいのです」
「ありがとうございます…最近、緊急用の食料も尽きてしまって…」
「では、なお更です。ご飯食べないと力もでませんです。ささ、召し上がってください」

 ありがとうございます、といって食事をとりだす夫婦とその子供。
 ひと時の休憩と談話を楽しんでいた。

 食事も終わり、さぁまたがんばろう!と猫士達が立ち上がったところで、お父さんが涼華に言った。

「あの…もしよければ、私たちにも手伝わせていただけませんか…?せめて今日の食事のお礼のぶんだけでも…」
「はい…っ!ありがとうございます!」

 涼華は夫婦に向かって盛大に頭を下げる。
 そして人間3人とたくさんの猫士達の手で、再び寮の再建を始めた。
 子供はというと、小さな猫士達と遊んでいた。
 それもあって、夫婦達は安心して作業を続けることが出来たのだった。

 /*/

 そして数日した頃だった。
 涼華がいつものように、護民官の仕事を済ませて、寮に戻ると猫士に混じって他の人間達の姿がいた。

「ほ、ほぇえ?」
「お帰りなさい、夜國さん」
「こ、これは?」
「みなさん、寮の再建のことを聞いて、手伝いに来たんですよ。その…炊き出しが目的だったりはするんですが…」

 そう涼華に言ったのは先日、涼華と一緒に食事後、寮の再建を手伝ってくれたお父さんの方だった。

「嬉しいです!ご飯、しっかり作ります!だから、そのよろしくお願いいたします!」
「がんばろうぜー!」
「おう!」

 涼華はその風景を見て、ほっとして、ちょっとだけ涙が出た。
 ぐしって涙を拭くと、さっそく炊き出しの準備をした。他のお母さん達の手も借りて。

 そうして、寮の再建は進んだのだった。

 最初は猫士たちと、涼華だけだった手が。
 人が人を呼び、たくさんの国民が集まって、最初は1日ほとんど進まなかったものが、一気に一日で1部屋2部屋、と建てていき、そして以前よりも輝かしい寮が再建できたのだった。

【終わり】
(夜國涼華)

Tag: アイドレス 施設

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