L:アーノマーホ = {
t:名称 = アーノマーホ(絶技)
t:要点 = Aの魔法陣開始の文言,文言を唱える人
t:周辺環境 = 割れる大地
t:評価 = なし
t:特殊 = {
*アーノマーホの絶技カテゴリ = 組織絶技として扱う。
*アーノマーホを使用した部隊は絶技を一つ無効化する。この絶技を使用するたびに燃料-20万tされる。
}
t:→次のアイドレス = アースクエイク?(絶技),メテオストライク?(絶技),迷宮破壊呪文?(絶技),Aの魔法陣?(兵器)
}
※アーノマーホの効果は「対絶技絶技」。絶技に対し、物理的にカウンターを入れます。
http://cwtg.jp/bbs2/wforum.cgi?&no=10020&mode=allread#10140
http://p.ag.etr.ac/cwtg.jp/bbs2/10140
《設定文》
-壱-
敵オーマが、絶技を発動させようとする、その瞬間。
一人の森国人男性が、集団の中から進み出た。
髪は長く、外見は麗しく、女性と見まごうほどだが、よく見るとやっぱり男であった。片手に、大きな風呂敷包みを携えている。
彼は風呂敷包みを地に下ろし、息を大きく吸い込むと、左手を高く掲げ、あたりに響き渡るほどの大声で、文言を唱え始めた。
http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/1717.jpg
(Aの魔法陣開始の文言・文言を唱える人/あおひと)
”我はこれよりM*よりはじまるゲームの目的を記述する”
次の瞬間。
男の周囲だけをよけるように、四方に渡り大地が割れる。
http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/1719.gif
(Aの魔法陣開始の文言・文言を唱える人・割れる大地/あおひと)
”絶技、アーノマーホ!”
男は地割れに呼応するかのように一声叫ぶと、傍らの風呂敷包みからひしゃくを取り出した。
おたまではない、ひしゃくである。その数、43本。
http://kaiho.main.jp/mailbbs/data/070723_224831.JPG
(風呂敷を持つ男/亀助)
次に男は、大きく振りかぶると、オーマに向かって、ひしゃくを投げた。故村山実を髣髴とさせる、見事なまでのザトペック投法で投げる、投げる、投げる。
オーマめがけて、ひしゃくが飛ぶ。命中、命中、命中。全ひしゃくの着弾を確認。
「ぐへあっ!?」
雨あられと降り注ぐひしゃく攻撃に、オーマがのけぞって倒れる。
すべてのひしゃくを投げつけ終えると、次に男は、風呂敷の中からあんまんを取り出した。メーカーはどこでもよいが、程よく蒸され、まさに食べごろのあんまんである。それを3つほど手に乗せると、男はオーマに向かって駆け出した。
-弐-
男の行動を、後方から双眼鏡で見守る、二人のよけ藩国国民がいた。二人の名前を仮にA、Bとしておこう。
A「わ、あの人の風呂敷の中からあんまんが出てきた」
B「ちょっと、何でこの距離であれがあんまんってわかるんですか?」
A「だってほら、あんまん肉まんを見分ける紙がついてるじゃない」
B「この距離でよく見分けがつきますね……さすがはらぺこさん」
A「あ、オーマの口の中にあんまん3つまとめて突っ込んだ。うーわー、熱々のあんまんなんか一度に突っ込まれたらもう何もしゃべれないよ。これでとどめかな?」
B「いえ、まだですね。見てください。腰からガムテープを取り出しました」
A「えーっと、どれどれ。あ、ほんとだ。うーわー……口からはみ出たあんまんごと、ガムテープで口を塞いじゃったわ。苦しいだろうなぁ、あれ」
B「あ、さらにガムテープを切って、腕に貼り付けて腕の毛ごとびりびり~ってやってます!」
A「わぁ……あれって痛いんだよね……」
B「痛いですね……あ」
A「今度は何?」
B「胸元から手帳を取り出しました」
A「手帳?手帳なんか出して何する気?」
B「手帳にメモしたことを、オーマに読んで聞かせてるみたいです。えーと……なになに、」
『……意中の人に告白して振られたんだって?』
『町内会の草むしり、参加しないで総スカン食らっただろ?』
『息子さん、受験に失敗したんだってな』
『先日の合コン、一人だけ誘われなかったそうじゃないか』」
http://nyan2.amatukami.com/bbs/data/1787.gif
(イラスト/あおひと)
A「わぁ、耳に痛い台詞のオンパレード。……あー、なんかオーマさんすごいショック受けてる。顔面真っ青~~。あ、最後に手帳で頭をひっぱたかれた。オーマさんちょっとかわいそうかも」
B「……心当たりあるんでしょうか、今の台詞に」
A「意外と、全部心当たりがあったりして」
B「まっさかー!?」
A「ところで、あの人がやってる、一連のあれって、何?」
B「絶技です」
A「絶技!?あれのどこが!?ひしゃくを投げて、あんまん突っ込んで、ガムテープびりびりやって、ぼやき手帳でひっぱたいただけでしょ?」
B「ただの人が、努力に努力を積み重ねて、人の身で、ただの人として完成させる物理的カウンターにして対絶技絶技。まさしく、あれこそ”絶技・アーノマーホ”です」
A「へ、へぇ……そうなんだ……」
B「あの絶技、マスターするの大変だったらしいですよ?特にザトペック投法が」
A「そこなの!?そこ大変なとこなの!?」
B「村山投手(*)の現役時代のVTRを入手するのが特に大変だったと聞いてます」
A「一番大変なのってそれ?それなの?ザトペック投法関係ないじゃない!」
B「今流行の『なんとかキャンプ』っていうダイエット法も取り入れたらしいですし」
A「何とかキャンプの面影なんてどこにも見当たらないじゃない!最初の地割れのシーンでちょっと感動したのに、感動が台無しよ~」
B「ああ、それなんですけれど、摂政殿下が後ろで泣いてます」
A「どうして殿下が、地割れで泣くの?」
B「あの絶技発動の掛け声にあわせて地割れを起こすのに、費用が1回3000万にゃんにゃん、殿下のポケットマネーから飛ぶんです。ダイナマイトやら人件費やらでお金がかかるので、発動するたびに殿下は奥様に叱られているとか」
A「え?あの地割れって、絶技で起こしてるわけじゃないの?」
B「ただの人間が地割れなんか起こせるわけないですよ。人が努力に努力を重ね、あたかもそれっぽく見せる。これが、魔法の真髄です」
A「た、確かにそうかもね」
種も仕掛けもある絶技”アーノマーホ”。しかし、オーマに反撃の隙を与えず、次から次へと技を繰り出すその速度こそが、実は、一番の絶技なのかもしれない。
A「でもこの絶技、宇宙空間じゃ使えないんじゃない?宇宙じゃ地割れなんて起こせないし、そもそも、あんまんを相手の口に突っ込むほど近寄れないんじゃないの?」
B「いえ、その辺りに手抜かりはありません。聯合国にお願いして、宇宙に巨大なスクリーンを設置するそうです」
A「スクリーンなんか設置して、何をするの?みんなで映画でも見る気?」
B「いえ、『生まれてから嫁ぐまで』ってタイトルで、ある方の小さいころから結婚式直前までの秘蔵の映像を編集して放映します。ざっと7時間ほどですが、見た人は全員号泣必至と聞いています。それを使って、敵味方関係なく戦意を削ぎます」
A「そこで流すのは誰の映像よ、誰の!」
B「Aさんの映像だってお伺いしてますけれど?」
A「そんなものいつの間にか無断で編集しないでよー!」
(*)村山投手…阪神タイガースの故・村山実投手。「ザトペック投法」と呼ばれる闘志むき出しの投法で一世を風靡した。
-参-
”絶技、アーノマーホ!”
「”アーノマーホ”合図確認。アルファからブラボーへ。爆破開始」
「了解。ブラボー1班、2班、爆破を開始します」
「続いて3班、4班、爆破開始」
「4班遅れました!」
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(周辺環境:割れる大地/森沢)
「こら、打ち合わせどおりに爆破させないと、絶技で地割れを引き起こしてるように見えないって、何度も言っただろ!……しかたない、5班、6班、爆破開始」
「5班と6班なら休憩に入りましたけど?」
「なんだとー!……ま、いいか。作戦は次のフェイズに移行した。爆破班は敵軍に見つからないよう撤収準備。残ったダイナマイトは次の絶技発動のときに使うから、湿気らせないように保管しておいてね」
「あーい」
「こら、作戦中だぞ!返事は『はい』で返すように!」
「はーい」
「……ま、いっか。全班撤収!陣地に戻ったら、各自1個ずつ仕出し弁当を受け取るように!」
「ブラボー1班了解!」
「2班了解です。今日のお弁当何かなぁ」
「楽しみだねぇ。あ、こちら3班、了解です」
戦闘中の緊張感も何もない彼らこそ、”絶技・アーノマーホ”発動を陰で支える『よけ藩国爆破班』。掛け声にあわせて地割れの演出を仕掛けるのが彼らの仕事だ。彼らは、部隊エントリーに漏れたからとはいえ、のんびりしているわけではない。こうやって、いつか来る絶技発動のために、裏でスタンバイしているのだ。
……国にお金がなくて爆破の予行演習がなかなかできないため、本番で地割れを引き起こすタイミングが毎回ずれるのは、もはやお約束だが。
(青にして紺碧)
《設定文》
アーノマーホ、それは新しく得た力。絶技に対抗出来る絶技。
地面に無数の複雑な記号や文字が描かれ、魔法陣が完成する。
魔法陣の中心に立つ魔術師は、手に持つ杖を地面に突き刺すかのように打ちつけると、高らかに絶技に対抗する絶技の為の魔術の開始宣言をした。
「”我はこれよりM*よりはじまるゲームの目的を記述する”」
それは長い祈りの最初の言葉。
魔術師の長い長い祈りは、伝導された神話などに出てくる魔術神の名と、この絶技の名が同じであることから、精神統一や礼儀、助力を願って、魔術神アーノマーホにも捧げられていた。
魔術神アーノマーホは、もっとも胡散臭く、混沌の神々に近い存在だと伝導されており、信仰する者も実際に胡散臭い老人や老婆が多い。
時に、そんな老人達から、子供達は道端や星の下などの様々な場所で、アーノマーホの知識や存在(複雑なような、単純なような数式と呼ばれる記号)を知ることが出来る話を教えてもらっていたりしていることもある。
この神は、どのような時でも、善がそこにあれば、力を与えるとされている。
それは、魔術神が過去を省みることがなく、今のまま留まることもないからだということらしい。
このように伝導されている魔術神だが、この神が実は実在しないことを魔術師達は知っている。
それでも、まあいたらいいなあ、いるかもしれないし、とにかく明るく前向きに、猫の手も犬の手も鳥の羽根もこの際ありとあらゆる動物さん達の力も借りたいくらいの時だし、いないって言われてるけど、本当はいるかもしれない神様にも祈ってみよう、そうしよう、なんてポジティブと希望的観測とを織り混ぜて、その絶技の発現の最中に、魔術師達はこの神に祈っていたりしていた。
それはただの祈り、だが、その向こうにあるはずの最善の結果を得る為の祈りである。
見ていても見ていなくても、思いは何かに届くと思える祈り、それは祈りでありながら、誓いや決意とも言えた。
祈り終わると、逃れることなど出来ないと嘲笑う運命を覆す為に、魔術師はその力を行使する。
絶技開始の合図とばかりに、大地は裂ける。
ただの人間がそんなことを起こせるわけがないと思えるその合図も、知略と技術があれば、効果的な絶技のオープニングになりえた。
相手の注意を引き付ける為に、絶技が凄いと思わせる為に、ハッタリも気合いも絶技を使う上で必要不可欠と考えて、それらしく大地は裂けるように細工されていた。
それくらいのことをしなければ、眼前のものに立ち向かえはしない。
無謀とも思えることに挑むのは、ただそれを認めることが出来ないだけ、納得が出来ないだけなのである。
自らの内にある善を、自らの側にある多くの善を、唯一の味方に、認めることの出来ない事象を全否定する為の戦いを開始する。
この場で必要なのは、すでに定められた流れに対抗する為の、ただの人間達が積み重ねた努力を全力で示すこと、それによって抗えない運命を覆すことが可能\だと、証明していくことだけである。
証明が可能\だと認められたアーノマーホは、相手の絶技に対抗して、その時に最も有効だと思える有らん限りの知恵と努力と勇気と信義による行動力によって、物理的にカウンターを入れていくことが出来る。
作戦や手段や方法や道具は、ただ努力をした人間達が判断するだけである。
十人十色、臨機応変、法則があっても、定義があっても、可能\性は無限。
アーノマーホは、ただの人間達がただただ努力したことによって変化し、結果を得る絶技なのである。
(ツグ)
[[L:アーノマーホ>藩国ライブラリー(L:)#i8380f32]]
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