皇帝暗殺事件の流れ
状況の推移 bookmark
1.皇帝、テラ領域共和国への侵攻を決意する。
2.宰相、ぽちの願いに応え、侵攻を止めようとする。
3.大阪および晋太郎、テラのハイマイルを視察する皇帝暗殺を試みる。
4.暗殺失敗。大阪および晋太郎、ISSに捕まる。
5.皇帝、罪を問わない条件で決闘を申し込む。
解説 bookmark
大阪および晋太郎が、暗殺失敗した時点で捕まったのは、それが一番、安全だからだろう。逃亡中に皇帝軍に見つかれば、正当防衛で殺される可能性がある。
また皇帝軍が「捜査」のために宰相府を荒らし回ることも回避できる。
そもそも捕まっても、宰相も共和国も皇帝暗殺に賛成してる以上、テラ内部でなら、いくらでも、犯罪を揉み消す方法はある(暗殺者は獄中で自殺しました。死体は焼きましたetc)。
※や、法官がそこまで権力と癒着してる、というつもりはないんですが、想定としてはアリでしょう。
それに対して皇帝は、「無罪にする代わりに決闘」という条件を出した。これなら、テラも、身柄を引き渡さざるを得ない。
ここからは、皇帝の絶大な戦闘力と、己に対する自信がうかがえる。
谷口が「正当な取り調べと法官による処罰」を求めて一騎打ちを申し込んだとき、皇帝は「暗殺者の無罪と出国」を条件に戦い、これにより民衆を味方につける。
一瞬の機転で、民衆の求める皇帝像を見せつけ、演じるあたりに、優れた知性が伺える。
皇帝の弱点 bookmark
一見して、豪放磊落に見える皇帝だが、その実、したたかである。
暗殺の危険があるテラ領域で、おおっぴらに視察を行っていること。決闘というパフォーマンスを選んだこと等から、民の忠誠に腐心していることがわかる。
次に決闘相手に久珂晋太郎を選んでいること。
白兵無敵(の場合がある)肉弾戦タイプの大阪ではなく、魔術師の晋太郎の魔力を封じてから、決闘を申し込んでいる。口では「殺しはせん」と言っているが、1日に2mmずつしまっていく首輪をつけている時点で、冷酷かつサディスティックな面が伺える。
白兵が得意そうな谷口がでてきた時、皇帝は「暗殺者の無罪と出国」を申し出ている。これは、谷口に対する大きな心理的プレッシャーである。
自分が勝ったほうが、大阪晋太郎がひどい目に遭うなら、谷口も全力を発揮しにくいわけで、事実、発揮できずに負けた。
かっこよく見えて、分析すると、わりと姑息な戦いをしているわけだ。
これらから伺えるのは、皇帝は実力は高いが、その上で、民の忠誠を常に計算し、勝算のないことはやらない男である、ということだ。
ビッグ7のように、なりふり構わず、戦争を仕掛けてくる相手でもなく。
ぽち王女のように、勝算も何も考えず、義であるだけで動くタイプでもない。
あるいは余裕がある内の油断かもしれないが、いずれにせよ、「民への人気」「勝算」の2点で、交渉の余地があるということである。
(海法 紀光)
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