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そして国境付近。帝国への門は、閉ざされていた。

各地から集まってきた難民達は望みを失い、悲嘆に暮れていた。

 帝国だけが、民に残された希望だったのに。
 人々は僅かな食料を奪い合い、夜露をしのぐ屋根もなく、しかし、今更何処にも行けなかった。
 衣食住の総てが足りず、怪我をしても医師が足りない。

人心は、荒れた。

 これに心を痛めたのが海法藩王である。心を痛めた人は多かったが、よけ藩国では王こそが一番心を痛めていた。

早速瞑想通信で国元に残った臣と連絡をとり、その日の夜には仮設病院の購入を決定した。
国庫は空になり、ターン11の参加税は臣の個人マイルを充てる事になった。
(勿論、都合がつき次第返却する予定である)
だが、臣の誰一人として文句をいう者は居なかった。
幾人もが、進んでマイルを差し出した。
皆が王に賛同し、王を支えようとしていたのだった。

 次の日から、続々と国境付近にトラックがやって来た。

テキパキと木製のプレハブを建て、忙しそうに去っていく。
それはお世辞にも立派とは呼べないが、間違いなく病院だった。

 真新しい木の香りからは、業者の努力と誇りと思い遣りが感じとられる。

業者も、悲劇を減らそうと努力していた

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Last-modified: 2011-05-21 (土) 06:22:40 (4724d)